日本製鉄(日本スティール)がクリーブランド・クリフス社を訴えるのはなぜ?

 バイデン大統領が、正式に日本製鉄(日本スティール)のUSスティールの買収を拒否したことがニュースになりましたが、次に日本スティールが訴訟を提起したことがニュースになりました。

日本スティールは、法定手続要件の違反の訴訟のみならず、クリーブランド・クリフス社、同社CEOのローレンソ・ゴンカルベス氏を訴えたという点は目を引きます。クリーブランド・クリフス社と言えば、オハイオ州クリーブランドに本拠地を置く鉄鋼メーカーです。今度副大統領になるJDバンス氏は、オハイオ州から上院議員として選挙で選ばれています。つまり、クリーブランド・クリフス社の本拠地は、彼のお膝元であり、日本スティールは、次期副大統領が大事にしてきた地元の労働者を多く抱える会社を敵として訴えたということになります。

保守派であるFoxテレビのFox Businessに、ローレンソ・ゴンカルベス氏が出演し、日本スティールを強く批判していました。

もし日本スティールが買収を諦めた場合、弱体化したUSスティールを今度は、クリーブランド・クリフス社が買収しようと考えており、日本スティールは、クリーブランド・クリフス社による買収は独占禁止法違反になるというのを強調したいように感じます。ただ、バイデン政権とは違って、独占禁止法による買収の規制が弱まると言われているトランプ政権2.0で、独占禁止法違反の主張がどれだけ通用するか分かりません。

重要なことは、訴訟を起こしたとしても、大統領の判断自体の妥当性を争うことは出来ないということです。

この訴訟によって得をするのは、弁護士とロビーストだけなのではという気がするのは私だけでしょうか。

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