総入替えの下院と継続する上院
アメリカ議会には、上院と下院がありますが、日本の参議院と衆議院とはかなり異なります。
以前、両院では一票の重さが全く違うというお話をしましたが、それ以外にも違う点が多くあります。
違いの一つとして、選挙が行われる頻度があります。
アメリカの場合は、下院の任期は2年、上院の任期は6年で、大統領が議会を解散することはできません。上院の任期は6年なのですが、2年ごとに約3分の1ずつの議員を入れ替える選挙があって、いつも3分の2の議員はそのままなのです。つまり、総入替えの下院と違って、上院には継続性があります。それだけでなく、異なる時期の民意を反映させる結果にもなります。世論や民意は、その時の景気や外交等の様々な要素によって変わっていきます。民意はその時期ごとに特定の問題にフォーカスする傾向にあると思います。時期がずれることで、民意のフォーカスも分散します。例えば、現在の上院には、2024年に選挙で選ばれた議員、2022年に選挙で選ばれた議員、2020年に選挙で選ばれた議員が3分の1ずついますが、2020年は、コロナウイルスのワクチンの確実性も不透明な状態で、大統領選挙では民主党のバイデン氏が選ばれた年です。2022年は、インフレにあえいでいましたが、憲法上妊娠中絶の権利が認められないと、以前の最高裁判決を覆した判決にショックが広がった年でした。2024年の選挙は、インフレが焦点になり、大統領選で共和党のトランプ氏が選ばれた年です。このように、2年違うだけで、少しずつ人々が重視する問題が違うことで、民意のフォーカスも分散し、民意の急激な変化の影響を受けないという利点もあると思います。