議会の予算承認は特定のプログラムへの予算承認とは別?
1月28日に出された「OMB issued guidance requesting that agencies temporarily pause, to the extent permitted by law, grant, loan or federal financial assistance programs that are implicated by the President’s Executive Orders」で始まるメモは、アメリカ中に混乱を巻き起こしました。
つまり、このメモは、連邦政府の各省庁に、助成金、貸付金、または連邦財政支援プログラムを、法律で許される範囲で一時的に停止するように求めています。
何について停止されるのか不明確過ぎて、アメリカ中が混乱し、ワシントンDCの連邦裁判所が、その日の午後に次の口頭弁論まで一時的にこの命令を仮停止するTemporary
restraining orderを出しました。
結局1月29日になって、ホワイトハウスが前日のメモを撤回して、とりあえず事態は収束しました。
この混乱の最中、民主党議員は、議会が一旦行ったAuthorization(承認)とAppropriation(歳出)を無視するもので、歳入、支出、借入の権限が議会にあると規定している憲法に違反するものだと強く批判していました。
共和党議員のなかには、自分の選挙区にも影響する助成金が止められたということで困惑気味な議員もいましたが、根拠を述べながら反論している人もいました。その反論うちの一つが、議会の行う予算の承認、歳出は、特定のプログラムや特定の団体にいくら支出することを承認するものではなく、実際にどのプログラムやどの団体に支出するかを決定することは、行政、つまり大統領の役割であるので、現時点で支出しているプログラムや団体が適切であるかどうかを評価するために、一時的に支出を止めるのは大統領の権限の範囲内であるというものです。
確かに、予算の承認歳出は、特定のプログラムや特定の団体に対して行われるわけではなく、行政、具体的には各省庁が、実際にどのようなプログラムによって実施するか、どのような団体に支出するかを決めることになります。
実際に、特定の団体等に支出することを指定する条項は、Earmark(イヤマーク)と呼ばれており、利益誘導につながるとのことで批判されてきました。そこで両院には、Earmarkの開示規則があります。
最初のメモはM-25-13と記載されていて、撤回したメモはM-25-14で、「M-25-13
is rescinded.」と記載されていますが、一つ不思議なのは、最初のメモは、ホワイトハウスのウエブサイトから容易に見つけられるのですが、撤回したメモは、誰かがXに投稿していたイメージやメディアのニュースからしか見つけらないことです。
ホワイトハウスは、このメモの根拠となった大統領令が取消されたわけではないということを強調しています。