実は議会の規則が意外に重要?
アメリカの連邦議会の第119会期が2025年1月3日に始まりました。新たな会期が始まって下院議長を選任することと同時に重要なことは、下院の規則を制定することです。上院の場合は、議員のうち3分の1だけが選挙によって入れ替わり、残りの3分の2はそのままなので、下院のようにすべてが新しくなって新しい規則を制定するということはありません。上院では会期の始まりに規則を制定するのではなく、会期を通じて一定の手続きに従えば今まである規則の一部を補正することが出来るというだけです。
なぜ、ここで規則の話をするかというと、実は、この規則によって、いつ、どのような法律がどのような内容で成立するかが大きく左右されるからです。
実際に、一つ前の会期である118会期の間には、下院で1万を超える法案が提出され、下院と上院の提出法案数を合わせると2万を超える法案が提出されましたが、実際に法律になったのは200程度です。この数多くの提出された法案の中から法律になるように議会のゲームを勝ち抜くためには、議会での規則を熟知することが必須になります。
議会で従わなければならないルールは、実は、紙にかかれたものだけに限りません。英語で言う「Precedents」も含まれます。これは大統領という単語の「President」と違うので、注意が必要です。先例という意味です。アメリカはもともと先例を重視するイギリス法の流れを汲んでいるので、先例が重視されるのです。
この先例を紙に書いたものもありますが、膨大な量で、これらを理解しているかどうかがゲームの勝敗を決めると言っても過言ではないかもしれません。議員には優秀なスタッフが必要なわけです。