本来の目的と違ってしまったかも?Reconciliation billとは何?
Congressional Budget Act of 1974で作り出されたreconciliation billは、党派間の分裂が進んで超党派で合意できる事項がますます少なくなってきた現在では、本来の目的とは少しずれた奥の手として使われるようになってきています。
1974 Budget lawは、budget
reconciliationというオプションを規定しました。Congressional
Research Serviceのレポートでは、reconciliationの主な目的は、収入と支出の水準を予算決議の政策に一致させる必要から、現行法を変更するための議会の能力を強化することと記載されています。つまり、収入と支出に変更が発生する場合等にそれを調整するための手段として、特に国の債務を減らすための調整する手段として、議会に与えられた権限だったはずでした。しかし、党派間の分裂が進んで超党派で合意することが難しくなっている現在では、上院でのフィリバスターを回避するための奥の手として使われるようになってきています。フィリバスターとは、上院議員の法案に関する議論を止めさせて決議に移るためには、100名の上院議員のうちの60票が必要になるというものです。端的に言ってしまえば、60名の上院議員の賛成がなければ法案が可決されないということです。最近では、共和党、民主党の上院議員の数が拮抗していて、どちらかの政党が60票を獲得するのは珍しくなってきています。そこで、このreconciliation
billの手続きを使って、多数派の政党が、自分たちの政策を達成してしまおうとすることが頻繁に起こるようになりました。
例えば、2017年の最初のトランプ政権下で成立した減税法はreconciliation
billですし、2022年のバイデン政権下で成立したInflation
Reduction Actもreconciliation
billです。二度目のトランプ政権で上院の多数派は共和党ではありますが、60には届かない人数ですから、今後もこのreconciliation
billが使われることでしょう。