大統領が法案の一部に拒否権を行使することは可能?

 法案は、上院と下院の両院で可決されただけでは、法律として成立しません。もし、大統領が議会で可決された法案をに対してVeto(拒否権行使)したら、議会に戻されて、拒否権行使に耐えられる数の賛成票で再度可決されなければなりません。

もし、議会で可決した一つの法案の中に色々な内容が組み込まれていて、一部は大統領の意向に沿う条項が含まれていたけれども、一部には意向に反する条項が含まれていた場合は、どうするのでしょうか。大統領が意向に反する条項のみに対して拒否権を行使して、残りの条項だけを承認して署名することはできるでしょうか。このような形の拒否権行使をLine-item vetoと呼びます。

実際、クリントン大統領の時代である1996年にこのLine-item veto認める法律が制定されました。それによって、クリントン大統領は、法案の一部について拒否権を行使しましたが、後に、最高裁判所によって、Line-item vetoは憲法に反すると判断されました(Clinton v. City of New York)。つまり、大統領は、法案を一括で承認するか、一括で拒否権を行使する権限しか与えられておらず、一部だけを拒否することはできないということです。ただ、複数の過去の最高裁判例を覆している現在の最高裁判所は、再びLine-item vetoが問題となって、最高裁判所での判断が必要になった時に、過去の判断を維持するのでしょうか。

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