関税は連邦政府の重要な収入源だった?
現代社会では、関税をかける目的として、国内産業を外国の安い製品から保護するためと言われることが多いかもしれません。しかし、アメリカ建国当初、関税は主に、歳入拡大の方法と考えられていました。実際、1913年にアメリカ連邦政府でIncome tax(所得税)が導入される前、関税は、連邦政府の重要な収入源でした。
次第に、成熟していないアメリカ国内産業を保護し、アメリカ南部の州がヨーロッパではなく、アメリカ北部から物を購入するようになるためにも関税が必要であると考えられるようになり、保護的な目的から関税が強化されました。世界大恐慌の際には、さらなる高関税が課されました。
その後、アメリカも自由貿易に舵を切り、1995年にWTO(世界貿易機構)に加盟しています。
ただ、今、その動きも逆回転しています。
2回目のトランプ政権が誕生して、関税を上げる話が復活しています。ただ、今回の関税の目的は、どうも国内産業保護というだけではなさそうです。トランプ政権で商務長官に任命されたハワード・ラトニック氏(Howard
Lutnick)は、トランプ大統領の選挙キャンペーン中に、1900年代には所得税がなく、関税による収入で賄っていたとの発言をしてますので、減税による歳入減を関税によって補えると考えているようにも思えます。
トランプ政権が関税を持ち出すのは、単に各国と交渉するための道具という意見も耳にします。ただ、トランプ政権が、関税をかける動機を、関税による収入が増加するので減税しても国家債務の増加は抑えられるという議会への説明材料と考えているのであれば、関税の収入源という側面に重きを置いていることになり、少なくとも、議会での減税法案が通過するまでは、アメリカの消費者が直接関税の影響を感じない限り、交渉は難しいかもしれません。