バイデン時代から始まっていた関税の抜け道をふさぐ努力 - De minimis exemption

 アメリカで、SHEINとか Temuと言ったオンラインショッピングのサイトが、その安さを武器としてアメリカ国内での売り上げを伸ばすにつれて、実は、これらのビジネスの安さの秘訣の一つは、一般に「de minimis」免除と言われる1日一人800ドル以下の荷物の輸入に関して免税するというアメリカの規定(19 U.S.C. §1321)を利用して、中国から直接アメリカの個々の消費者に発送するビジネスモデルということが知られるようになりました。すると、アマゾンまで同じ免税を利用して独自のAmazon haulというアウトレットオンラインショップを立ち上げて、ニュースになっていました。

この関税の抜け穴をふさぐ必要があるという認識が広がり、バイデン政権は、20249月に、この免税規定が適用される範囲を厳格にするため規則の改正を求めていました。それに答えて、U.S. Customs and Border Protection(米国税関および国境警備局)の「de minimis」免除に関する規則改正案が今年1月に発表され、324日までの期限でパブリックコメントが求められています。

そんな中、トランプ大統領は、国際緊急経済権限法(IEEPA)と国家緊急事態法(NEA)を根拠として、中国に対してさらに10%の関税を課すと宣言しました。その中で、中国からの輸入に対しては、この問題となっている「de minimis」免除を対象外とするとの命令を出しました。

SHEINTemuは、これに対してどのような対策を取るのでしょうか。中国から輸入する場合は「de minimis」免除が使えないので、単に近隣の国に移動するのでしょうか。それを防止するため、議会での立法案の検討も始まっています。

興味深いのは、最初に「de minimis」免除が始まった理由です。1900年代初めの頃まで、関税は国家の貴重な収入源であったために、支払われる関税は、関税を徴収するためのコストよりも高くなければならないとの認識があったのです。ただ、現在においてはテクノロジーの発達により、関税が少額であっても、コストを抑えられるようになったかもしれませんし、関税率が高くなれば、コストが関税収入の範囲内におさまるかもしれません。

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