現在のアメリカの連邦政府の歳出は?

 アメリカでは、イーロン・マスクが率いる政府効率化省(DOGE)が、多数の連邦職員を解雇したり、連邦政府の省庁を解体するなどしていますが、現在の連邦政府の歳出額や割合はどうなっているのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

議会予算局(CBO)が、2024年に歳入と歳出を開示しているのでご紹介しましょう。2024年の連邦政府の歳入総額は約49180億ドルで、歳出総額は 68260億ドルです。歳出が歳入よりかなり超過しているということです。歳出の中身ですが、mandatory spending(義務的支出)と言われる歳出が約41300億ドルです(歳出の約60%)。mandatory spending(義務的支出)のほとんどは、アメリカの年金制度であるSocial Security、高齢者健康保険であるMedicare、低所得者健康保険であるMedicaidが占めていますが、その他の政府の一般的なサービスなどに関する歳出も約10060億ドルと4分の1近くを占めています。Social Securityは、約14540億ドル、MedicareMedicaidなどの健康保険関係の歳出が約16690億ドルで、合計すると、約31230億ドル(歳出の約45.7%)となります。それ以外の歳出はdiscretionary spending net interestです。discretionary spendingには、国防費と国防費以外がありますが、国防費が約8550億ドル(歳出の約12.5%)、国防費以外が約9600億ドル(歳出の約14%)、net interestが約8810ドル(歳出の約12.9%)です。つまり、国防費よりも、国債などの利息支払い額の方が多いということです。

歳出総額約68260億ドルのうち、歳出を抑えても影響が少なさそうなものは、国防費でないdiscretionary spendingでしょうが、約9600億ドルで、全体の支出からすると約14%に過ぎないです。政府効率化省を率いるイーロン・マスクが2兆ドル歳出を減らすと言っていたようですが(日本円で約200兆円)、国防費でないdiscretionary spendingを削っても到底足りません。もちろん約8810ドルのnet interestを削るわけにはいきません。そこで、その他の部分の歳出を削るために、今まであれば、次の選挙で不利になると手を付けてこられなかった年金や健康保険関係の支出に対しても、不正や詐欺があるということを強調して削減に手を付けようとしているのではないかと言われています。

また、現在の財政立て直しのみならず、トランプ大統領の望む減税をするための財源が必要になっています。関税を上げることで、財源を確保しようとしているのではないかと言われていますが、もしそれが本当であれば、日本に対する関税引き下げや例外的扱いの交渉は後回しになるのではないでしょうか。日本は、アメリカの国民生活に影響を及ぼさないで関税収入を上げられる相手国と思われる可能性が高そうな気がするのは私だけでしょうか。

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