大統領就任後すぐに関税を課せる根拠は?

 1962年通商拡大法232条による関税を課すためには、法定の手続きに従って、利害関係者または省庁からの要請などに基づき、商務長官が特定の物の輸入が国家安全保障に与える影響について調査を開始し、推奨事項を含む調査結果報告書を大統領に提出しなければなりません。大統領はその後に関税等の措置を判断することになります。

1974年通商法201条による関税を課すためには、法定の手続きに従って、国際貿易委員会(ITC)がが特定品に関し国内産業に対して損害を与えるかどうかを調査する推奨事項を含む調査報告を大統領に提出しなければなりません。大統領はその後に関税等の措置を判断することになります。

 

2025326日に署名された大統領令は、1962年通商拡大法232条に基づいてアメリカ国外から輸入される自動車に対して25%の関税を課すとしていますが、商務長官の調査はどうなったのかと疑問に思われるかもしれません。この大統領令は、最初のトランプ政権の時に行われた調査報告を引用して、それに基づいて関税を課しています。

同じように、2025211日に署名された大統領令も、1962年通商拡大法232条に基づいてアルミニウムに対する関税を修正してカナダ、メキシコ、EU等からの輸入に対しても25%の関税をかけましたが、これも、最初のトランプ政権の時に行われた複数の調査報告を引用しています。

つまり、最初のトランプ政権の時に行われた調査をもとに関税を課すことによって、調査にかかる時間を大幅に短縮しています。これが、関税をかけるまでにかなり時間がかかった最初のトランプ政権とは違う点と言えるでしょう。

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