Reconciliation Billは思惑通りに成立するのか?
以前、共和党が減税法を成立させるには、reconciliation billを成立させなければなりませんという話をしましたが、実際にどのようにこのReconciliation Billが成立するのか、簡単に説明します。
まず、ここで混乱していけないのは、Continuing
resolution(一般にCRと呼ばれます)これは、会計年度の開始前に通常のappropriation
bill(歳出法)が可決されなかった場合に、一時的に歳出を認めるものです。現時点では、次の会計年度まで(つまり2025年9月30日まで)のCRが可決されているので、Government
Shutdown (政府閉鎖)は回避され、これからがreconciliation
billの正念場です。
1974年議会予算統制法では、いきなりreconciliation
billを起案することを認めておらず、まずは、concurrent
resolution(両院共同決議)で「reconciliation
instruction(財政調整指示)」が含まれているbudget
resolution(予算決議)が可決されなければなりません。2025年2月21日に上院で「S.Con.Res.
7」が可決され、2025年2月25日には、下院で「H.Con.Res.
14」が可決されました。reconciliation
billを起案するためには、上院で可決された内容と下院で可決された内容が一致しなければなりませんが、この上院と下院で可決されたものはかなりの違いがあります。上院で可決されたものには、国防と国境地帯の安全に関する内容にフォーカスしていますが、下院で可決されたものは、トランプ大統領が望む内容が広く含まれています。そこで、上院と下院で内容を調整して再度可決する必要があり、3月末現在では、この調整段階にあります。
報道によると、共和党は、民主党の助けを借りずに共和党だけでreconciliation
billを成立させる意向のようで、調整は共和党内のみで行っているようです。
この調整が成功して両院で同じ内容の予算決議が可決された場合には、予算決議に含まれるreconciliation
instruction(財政調整指示)に従い、reconciliation
billのプロセスが開始されます。まずは、財政調整指示を受けた委員会は、予算決議に従って法案を起案し、各予算委員会に提出し、予算委員会は、提出内容を単一の法案にまとめて、上院と下院で決議されることになります。この際、上院では、討論を終結(cloture)するために60票が要求(フィリバスター)されないので、過半数で決議が可能です。
このbudget
resolution(予算決議)は、政府の25年の会計年度(2024年10月1日から2025年9月30日)のものですから、既に年度が始まっています。上院では、この会計年度を超えてreconciliation
instruction(財政調整指示)を使えないので、9月30日までに決着する必要があります。
下院での共和党と民主党の所属議員数の差が僅かであることから、調整は難航すると予想されています。