巨大法律事務所を半国有化したに近い??

トランプ政権が、いくつかの巨大法律事務所をターゲットに大統領令を出したり、目を付けられた法律事務所が大統領令を見据えて交渉したりと、アメリカの巨大法律事務所の形が変わり始めていることを以前の投稿で説明しました。

アメリカのCNBCというテレビ局で、Kirkland & Ellis (所属弁護士3500人以上), Allen Overy Shearman Sterling (所属弁護士約4000), Simpson Thacher & Bartlett (所属弁護士約1500), Latham & Watkins (所属弁護士約3000), Cadwalader, Wickersham & Taft (所属弁護士約400)と和解が成立し、DEI(多様性・公平性・包括性)プログラムを廃止することと政権のためにプロボノ活動(無償サービス)を提供することを約束し、その無償サービスの総額は5億ドルを超えるということが報道されていました。

政権のためにプロボノ活動をすることによって、どのような影響が及ぶか、自分なりに考えてみます。まずは、Conflict of interest(利害相反)の問題が発生するために、弁護士倫理の問題から考えても政権を相手方とする仕事を引き受けるのが難しくなるということがあげられます。今回ターゲットにならなかった法律事務所も、今後トランプ政権のターゲットにならないように、受任する事件を選択するよう萎縮する可能性もあります。

また、今まで、連邦政府から仕事を請け負っていた事務所が、5億ドル分の仕事を失う可能性があるでしょう。ターゲットにならなかった事務所であっても、連邦政府の仕事を有償で請け負っていた事務所は仕事量が減る可能性があるので、安心してはいられないでしょう。この観点からいうと、連邦政府が巨大事務所に無償で仕事を請け負わせることで一部国有化したに近いような状態が発生します。CNBCでもそのようなニュアンスの感想を述べていました。

さらには、巨大法律事務所がプロボノで働いた時間をどこかで埋め合わせる必要が生じることによって、既存のクライアントがその分の負担を負わされる可能性ががあります。つまり、通常のクライアントに対して、アワリーレートをなるべく高く設定して、ディスカウントをしないということになる可能性があり得るでしょう。

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