米国上院のフィリバスター(filibuster)って何?
米国議会の上院にはfilibuster フィリバスターという手段があります。誤解を恐れずに簡単に説明してしまうと、法案に関する議論が終わらないようにして、法案の投票を遅らせる手段です。議論を終わらせるためには上院議員の60票が必要になります。そこで、ニュースでは60票の賛成がないから上院では可決されないと説明されることがあります。以前は、フィリバスターを続けるために本当に何時間も上院で演説を続けていた議員もいたようですが、今では、上院規則に基づいてフィリバスターを宣言してしまえば、60票確保できない場合には、投票がおこなわれません。昔のように実際に議員が上院で演説を続けているわけではありません。
ただ、フィリバスターが使えない法案もあります。例えば、予算手続きがそれにあたります。フィリバスターが使えないと、通常多数決で決まることになりますが、上院は50の各州から二人ずつの議員が選任されることになるので、票が50対50になることもあります。そうすると、副大統領が最後の一票を投じることになります。基本的に副大統領の役割はあまりないのですが、この時ばかりは副大統領の存在が重要になります。2022年に成立したInflation
Reduction Actはハリス副大統領が一票を投じた形で成立しています。これに対し、オバマケアと呼ばれているAffordable
Care Actは、上院で60票で可決されています。オバマケアは制定後、何度も潰されそうになりましたが、フィリバスターに負けない60票で上院を可決したこともあって、今も残っています。