大統領と議会の対立 - 与党と野党???
日本のメディアが、「アメリカの与党」と記載しているのを目にしたことがありますが、非常な違和感を覚えます「どっちが与党で、どっちが野党なんだ???」という感じです。アメリカでは大統領が所属する政党と下院の多数派政党や上院の多数派政党が異なるということは、頻繁に起こります。The American Congress という本に1969年から2019年までの議会の会期で大統領の所属政党と議会の多数派政党がどうであったか表が掲載されているのですが、Unified(一致)となっているのは7会期のみで、残りの19会期はDivided(不一致)となっていて、70%以上で同じではないことが分かります。
現在2024年10月現在、大統領の所属する政党は民主党で、下院の多数政党は共和党です。ですから下院の議長は、共和党議員です。大統領に何かあって職務を遂行できない場合に、大統領の職務を遂行するのは副大統領ですが、副大統領にも何かあって職務が遂行できなくなった場合には、下院議長が大統領の職務を継承します。つまり、下院議長は継承順位で2番目のポジションにあります。このようなポジションにある人と、大統領の所属する政党が異なることが頻繁に起こるというのがアメリカ政治の現実です。特に、大統領選のない中間の時期に行われる議員選挙の後では、下院議員の多数派と大統領の政党が異なることが多いです。
日本のメディアの方々は、多分、大統領所属の政党を与党と呼んでいらっしゃるのだと思いますが、日本の政治で言う与党や野党のように理解すると、アメリカの政治の理解を誤ってしまうかもしれません。
*The American Congress (Steven S. Smith, Jason M. Roberts,
Ryan J. Vander Wilen)