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レームダック・セッション?

  レームダック・セッション (Lame duck session) という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 Lame duck のそのままの訳は、足を引きずってちゃんと歩けないアヒルという意味になります。ただ、この言葉をワシントン DC の政治関係者が使うと、 11 月の選挙が終わった後に、その選挙で選任された人に引き継がれるまでの期間の政治の話になります。議会のレームダック・セッションと言えば、選挙後に、次の会期が始まるまでの間のセッションのことをさします。現在の多数派の政党と、次の会期での多数派の政党が同じであれば、このレームダック・セッションはさほど問題にならないのですが、これが違う場合、レームダック・セッションで何かを達成しようとする現時点の多数派政党と次の会期まで何も決めさせないために頑張る次期の多数派政党の攻防が発生します。 今回の 2024 年 11 月の選挙では、上院議員の多数派政党と大統領が、民主党から共和党に変わったことで、バイデン大統領と民主党は上院のレームダック・セッションで、なるべく数多くの連邦裁判所の裁判官を任命してしまおうと躍起になっているようです。裁判官の任命は、一旦任命されると、次の大統領が解任することができないですから、その後、 10 年 20 年単位で影響が及びます。未だにレーガン大統領時代に任命された裁判官もいたりします。

休会中の任命? (Recess Appointment Clause)

  トランプ次期大統領が Matt Gaetz ( マット・ゲイツ ) のような常識を持った人であれば眉をひそめるような人物を司法長官に助言すると発表した以降、ニュースなどで説明されるようになったのは、 Recess appointment 、直訳すると「休会中の任命」です。大統領は行政権を行使するために、一定以上のポジションの連邦行政官任命の助言をすることが出来ますが、上院の承認が必要となります。上院議員の構成によっては、大統領が助言する人物の上院の承認を得るのは難しいだろうと予想される場面もあるかと思います。 そこで、議会が休会中に急遽連邦行政官を任命する必要が出た時に備えて憲法で認められている「休会中の任命」という方法を使って議会が休会中に任命してしまおうとする大統領がでてくるわけです。この方法は、以前から共和党と民主党の大統領が使用しており、 2014 年にこれに関して最高裁判決がでています。これは、オバマ大統領が国家労働関係委員会( NLRB )の委員を議会の休会中に任命したことの適法性が争点となったケースですが、 3 日間という短い休会中に行った任命は「休会中の任命」とは認められませんでした。   マット・ゲイツが辞退したため、「休会中の任命」を使うのではないかという憶測の報道は一旦下火になっていますが、今後どうなるのでしょうか。

嵐の前の静けさ? 大統領選挙前日

大統領選前日のワシントン DC は静まり返っていますが、街の多くのビルでは、一階の外の部分がべニア板で覆われていて、暴動が起こっても壊されることがないように準備がなされています。まるで、台風などの嵐が来る前に準備をしているような様相です。日本大使館は、大統領選挙に伴う暴動が起こる可能性を説明するメールを流して、邦人に注意を喚起しています。 どちらの候補者が勝利しても、負けた側の支持者が、負けを認めずに、選挙に不正があったと暴動を起こすかもしれないと警戒されています。特に、トランプが選挙に負けた場合、どのような暴動が起こるか想像できず、警戒レベルはかなり高いです。 先日の日本の選挙では、選挙の翌日にはほぼ結果が出そろって、誰も選挙に不正があったと叫ぶ人はいなくて、本当に平和でした。アメリカでは選挙前から、両党が選挙結果を争うための訴訟の準備をしているようです。 あちこちにあるべニア板の囲いが単なる取り越し苦労で終わることを祈るばかりです。